桜も散ったけれど、まだまだ朝晩は寒い…もう4月も終わろうというのに。
ぼちぼちオーダー制作も再開し、生地を探しに。といっても、自転車で行ける近所になかなか濃い生地屋さんがあります。
一つは昔から商店街の片隅で生地屋を営み、商店街がなくなり大きな施設に建て替えられた今も、その一角で続けているお店。
昔は、小屋みたいな建物の奥にある梯子を登った2階(屋根裏?)で、布に埋もれた中から「いらっしゃい」と子リスのような表情のおかみさんがひょっこり出てくる…そんなお店だったようです。
昔から集めてきた国内外の古い布が多く、古い手織りの布なども豊富。
そのままでも充分味のある、そんな布たちが所狭しと並んでいます。
私のような若い客(あ、すみません!世間一般では若くない、ごめんなさい!)は珍しいようで、最初は少し驚いた顔でしたが、話をしているうちに「あなたは洋裁ウンヌンというより、布が好きなんですね」とニッコリ、そんな店主さんです。そういや、最初の話のキッカケもスーパーのチラシを見ながら「あなた、今年はおせち作る?」だったなぁ。
そのお店の古い布たちは、時間や手間を惜しまず作られたものだからこそ経年変化も味となり、それは決して劣化ではなく、また新たに生命が吹きこまれている、そんな気がします。
もう一つの生地屋さんは、ヨーロッパのものを扱う西宮では有名なお店。
花柄やかわいらしい柄のものが多い中、私はいつも片隅のチェックや無地のコーナーに釘づけなのです。
そこの店主さんの素敵なところは、布の話をしていると、「あそこのお店行ったことある?」「今度、あっちにある店行ったらおもしろいよ」と、違うお店の紹介をしてくれるのです。ホントにこの人は布が好きなんだなぁといつも温かくなります。
その紹介してくれるお店というのも決してきれいに整頓されているとは言えないようなところ…
でも、布のカオスの中から宝探しのように好みの布を見つけだす楽しさ。埃っぽい所ではくしゃみが止まらなくなることもあるけれど、コレだ!という布を見つけた時のドキドキといったらもう…
そんなこんなで今日も素敵な布に出逢えたのでした