昨日、『地球交響曲(ガイアシンフォニー)第七番』を観る機会に恵まれました。しかも、龍村仁監督の講演会付きというまたと無い幸運。
『
地球交響曲』とは、イギリスの生物学者ジェームズ・ラブロック博士の唱えるガイア理論、「地球はそれ自体がひとつの生命体である」という考え方に基づき、龍村仁監督によって製作されたオムニバスのドキュメンタリー映画シリーズ。
自主上映中心のため、私自身、興味はあったのですが、なかなかタイミングが合わず、第二番に続き、実は今回が二回目の鑑賞。
第七番は、統合医療医学博士のアンドルー・ワイル氏、ツール・ド・フランス覇者のグレッグ・レモン氏、環境教育活動家の高野孝子氏の三人、そして日本神道の神事に触れる内容でした。
私が一番印象深かったのは、グレッグ・レモン氏。
世界のあらゆるスポーツの中でも最も過酷だと言われているツール・ド・フランスで、1986年、ヨーロッパ出身の選手以外で史上初のチャンピオンに。ところが、翌年、不慮の事故で全身に散弾銃を浴び瀕死の重傷を負うことに…
再起不能と言われる中で、1989年、再びチャンピオンに返り咲く。
このエピソードを聞いただけで、!?!?!!となりますが、映画の中で、彼の話や自転車で走る姿を観ていると、そのエピソードだけでない魅力を感じ、家に帰る頃にはAmazonで「グレッグ・レモン…」なんて検索して本を探していたりするのです。
この映画の撮影のために来日し、日本文化や日本神道に興味のあったレモン氏の希望に沿う形で、奈良県の明日香村から熊野古道などを巡る自転車での旅に。
彼は、「自転車は目的地に着くには充分に速い。しかし、景色を楽しむには充分に遅い」「自転車で走ると、五感が研ぎ澄まされ、第六感がはたらく」と話していました。
息子と共に自転車で旅する彼の姿はまさにその言葉通りで、あまりに気持ちよさそうで自分まで一緒にスイ〜っと走っているような気に。
そして、地球のために、世界のためにできることは…「自分の心の平穏を保ち、それぞれが自分の道を極めること」と同時に「自転車に乗る人が増えたら、すこしよくなるかもね」とも。Let's ride on a bike. すなわち 自転車的未来へ
暑さも少し和らぎ、朝夕などは涼しくなり、自転車も快適になってきました。前後におチビを乗せたママチャリでも、第六感が拓くほど五感を研ぎ澄ませることができるでしょうか…
そして、憧れの人・龍村仁監督の講演。
有名人を間近で見ることなんて10代の頃、梅田のあの歩道橋でロケ前の陣内智則を見て、初めてのナマ芸能人に舞い上がり「陣内さんですよね?」と不躾に握手を求めて以来…
龍村仁監督は、なんだか藤村俊二さんのような飄々とした感じでしたが、その直感力と行動力には確かな強さがありました。
昔に読んだ龍村さんの本の「ぼんやり思うことはいつかカタチになる」という言葉。ずっと心のどこかに引っかかっていて、ある時、ふと思い出す…
思いをカタチにできる人の強さを感じた夏の午後でした。